モンブランは秋の人気スイーツですが、「クリームがボソボソになってしまう」という失敗も少なくありません。初めて作る方やクリームの扱いに慣れていない方には難しいポイントです。この記事では、モンブランのクリームがボソボソになる原因と、その解決法を詳しく解説します。最後まで読むことで、なめらかで美しいモンブランを作るためのコツがわかります!
1.モンブランクリームがボソボソになる原因
原因1:マロンクリームの硬さ
モンブランクリームが硬すぎると、スムーズに絞り出せず、滑らかさが失われます。室温に戻したり、電子レンジで軽く温めて柔らかくするのがポイントです。
原因2:バターの硬さ
バターが硬いと、クリームになじまずに粒が残ってしまい、口金に詰まりやすくなります。ゴムベラでクリーム状にできる柔らかさにしてから使いましょう。
原因3:混ぜすぎ
生クリームやラム酒を加えた後、混ぜすぎると分離しやすくなります。優しくさっと混ぜることが大切です。
原因4:クリームの放置
クリームはすぐに使わないと乾燥して固まり、口金に詰まる原因になります。作ったらすぐに使うのがベストです。また、しぼり袋に入れて冷蔵庫に入れるのもNG。口金の周りが冷えて固まってしまいます。時間を置いてから使用する場合は必ず混ぜて均一にしてから使用しましょう。
2. マロンクリームの作り方
なめらかなモンブランクリームに仕上げるための基本的な作り方を紹介します。
材料
材料 | 分量 |
---|---|
マロンペースト | 120g |
バター | 30g |
生クリーム | 20g |
下準備
- ●バター・生クリームは室温に戻しておく。
作り方
1.マロンペーストをボウルに入れ、ゴムベラでなめらかになるまで練ります。
ラップ越しに潰して、マロンペーストを柔らかくします。
2.柔らかくしたバターを少しずつ加え、混ぜ合わせます。
ボウルの側面に擦り付けるようにすると、マロンペースト・バターの塊が潰れやすくなります。
3.生クリームを少しずつ加えながら混ぜ、全体が均一になるようにします。
完全に混ぜ切らずに、少し生クリームが残っている状態で次の生クリームを加えましょう。リキュールを加える場合はここで入れましょう。
4.なめらかで柔らかいクリームに仕上がったら、しぼり袋に入れてモンブラン作りに使います。
3. クリームがボソボソにならないためのコツ
温度管理を徹底する
マロンクリームやバターの温度を調整し、クリームの硬さが適切か確認しましょう。
混ぜ方のコツ
生クリームを加えた後は優しくさっと混ぜ、クリームのなめらかさをキープします。
使用前に再確認
作ったクリームをしぼり袋に入れたまま放置せず、すぐに絞り出すときれいな仕上がりになります。
4. 正しいしぼり袋の使い方
モンブランクリームの絞り出しには、いくつかのポイントがあります。少しの工夫でスムーズに絞り出せるので、以下の方法を試してみてください。
しぼり袋の準備
①しぼり袋内の空気を抜く
コルヌを縦にして数ヶ所抑えることで、しぼり袋内に入った空気を抜くことができます。空気が入っていると、絞っている最中にクリームが途切れる原因になります。
②しぼり袋内のクリームを前に集める
NG例
写真のようにコルヌの角が手より前側にあると、しぼり袋に角がささり、袋が破ける原因になります。
OK例
コルヌの角よりも手が前にでる角度にコルヌを持ち、引っ張るような形でクリームを前方に集めましょう。
途中で袋をねじる
しぼり袋に硬いクリームをいっぱい入れると、絞る際に余計な力が必要になり、力を入れすぎると袋が破れてしまうこともあります。クリームを入れたら、しぼり袋の半分くらいの位置をねじることで、絞りやすくなり、力の加減もしやすくなります。
クリームを補充する際のポイント
マロンクリームを入れ直すときは、空気が入らないようにコルヌで袋内をきれいにし、スムーズな絞り出しができるようにととのえましょう。
5. 美しいモンブランを作るための絞り方
なめらかなマロンクリームができたら、次は絞り出しのテクニックです。以下のポイントを押さえると、見栄えの良いモンブランを作ることができます。
しぼり袋の持ち方
親指と人差し指の根元で、しぼり袋をしっかりとはさみ、上から軽く圧をかけます。
しぼり袋がパンパンに張った状態になるまで、マロンクリームを前方に押し出しましょう。
クリームを絞り出す位置
スタート地点にクリームを少し出し、しぼり袋を少し持ち上げて、適度に垂らしながら螺旋状に絞ります。
こまめなねじり
しぼり袋をこまめにねじることで、クリームが前方に押し出されて安定しやすくなります。
力のかけ方
「絞り出す力」と「動かすスピード」を一定に保つことで、均一で美しい仕上がりが可能です。
6. 失敗例と対策
マロンクリームが硬い場合
室温に戻すか電子レンジで軽く温めて柔らかくする。
バターが固まっている場合
柔らかくしたバターを使い、クリーム内で硬いバターの粒が残らないように。
しぼり袋を長時間放置してしまった場合
しぼり袋の中にクリームを残したままにすると、乾燥して固まってしまうことがあります。残ったクリームは一度ラップなどに出し、再度使用する際にボウルで混ぜてから使用しましょう。
7. マロンクリーム・ペースト・ピューレの選び方
市販のマロンクリームには、マロンクリーム、マロンペースト、マロンピューレの3種類があります。それぞれの硬さが異なるため、作りたいモンブランに適したタイプを選ぶことが重要です。購入時には、用途に合ったクリームをチェックし、なめらかなクリームに仕上げやすいものを選ぶようにしましょう。
まとめ
モンブランのクリームをなめらかに仕上げるためのポイントと、正しいしぼり袋の使い方を学びました。失敗しがちな原因を知ることで、初心者の方でも美しいモンブラン作りが楽しめるはずです。ぜひ、これらのコツを試して、おいしいモンブランを完成させてください!
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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