デザートや料理に使われる「ゼラチン」。正しくふやかせていないと「固まらない」「濁ってしまって透明感が出ない」などの失敗につながります。
今回は簡単なようで実は注意が必要なゼラチンの扱いについてご紹介します。
ふやかし方
粉ゼラチン
粉ゼラチンは冷水に「振り入れて」、冷蔵庫で10分ほどふやかします。
粉ゼラチンに「水をかける」と全体に水が行きわたらず、ダマの原因になります。 たったこれだけの事ですが、溶かすときに大きな差がでますので注意しましょう。
その後、熱で溶かしてから使用します。
Q. AとBどちらが上手にふやかせてるかわかりますか?
答えは「A」。色合いを見て、なんとなくBを選んでしまった方もいらっしゃるのでは?
Aは冷水でふやかしたもの。Bは常温の水でふやかしたものです。
ゼラチンはふやかす時の水の温度により状態が変化します。そのため、常温の水はNG!必ず冷水を使いましょう。
常温の水を使用した場合、ふやかしている間に粉ゼラチンが周りから溶け始めます。その後、熱を加えてもきれいに溶けてくれず、失敗の原因になってしまいます。
ふやかした後は溶かす温度にも注意
溶かす温度にも注意が必要です。
だいたい60℃くらいで溶かすとよいでしょう。
高温で溶かしてしまうとゼラチンの臭みが出たり、固まりにくくなる原因になります。
ゼラチンの固め方
ゼラチンの固まる温度は20℃以下です。そのため、冷蔵庫に入れて固めなくてはなりません。
3~6時間くらい冷蔵庫でしっかり冷やして固まってからいただきましょう!
暑い季節は常温でも溶け出してしまうため、いただく直前まで冷蔵が必要です。
フルーツを一緒に使うと固まらない!?
パイナップル、パパイア、キウイフルーツなどは、タンパク質分解酵素を含むため、生のままでいっしょに使うと、ゼラチンが分解されて固まりにくくなります。これらのフルーツを使う時は、缶詰か一度加熱処理してから使用するとよいでしょう。
ゼラチンを使ったレシピ
マンゴーゼリー
材料
材料 | 分量 |
---|---|
マンゴージュース | 200cc |
レモンの果汁 | 小さじ1/2 |
冷水 | 20cc |
粉ゼラチン | 4g |
コンデンスミルク | 小さじ2 |
マンゴー(冷凍・1cm角) | 30g |
ミントの葉 | 適量 |
下準備
- 粉ゼラチンは冷水にふり入れ、ひと混ぜして戻し(10分~)、使用する直前に電子レンジで加熱して溶かしておく(30秒~)。
作り方
- ボウルにマンゴージュース・レモンの果汁を入れ、混ぜる。
- 溶かしたゼラチンを加え混ぜ、器に分け入れ、冷蔵庫で冷やし固める(90分~)。
- コンデンスミルクをかけ、マンゴー・ミントの葉を飾る。
まとめ
ゼラチンをふやかす過程で失敗してしまうと、やり直しが効きません。ゼラチンの臭みがでたり、固まりすぎてしまって口どけの悪いゼリーになってしまったり、固まらずにドロドロしたゼリーになってしまったりします。 ふやかしは冷水で、溶かす際も温度に注意しながら行いましょう。
ゼラチンを正しく扱い、お菓子作りやお料理に使用してみてくださいね。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。