お菓子作りでよく登場する「メレンゲ」。レシピの中で砂糖は「2〜3回に分けて加える」と書いてあることが多いですが、どんな理由で分け加えているのでしょうか。
今回はメレンゲの泡立て方についてご紹介します。砂糖を分けて加えずにメレンゲを作り、比較してみました。ぜひ、お菓子作りの参考にしてみてくださいね。
まずは基本を確認
メレンゲを泡立てる4つのポイント
ポイント①卵白は使用直前まで冷やす
卵白は使用直前まで冷やしておくことで、角がピンと立ち、コシのあるメレンゲができます。
ポイント②汚れの付着がないかチェック
道具に水・油脂が付いていないことを確認する。
ポイント③少し混ざっているだけでも泡立ちに影響
割れた卵黄が入っていないこと。卵黄に含まれる「レシチン」という脂肪分が、泡立ちを邪魔します。
ポイント④泡立てすぎはNG
必要以上に泡立ててしまうと分離し、写真のメレンゲのようにボソボソとした仕上がりになってしまいます。やり直しがきかないため、メレンゲの状態をしっかり見極めましょう。
【基本】メレンゲの立て方(砂糖を3回に分けて加える)
- ボウルに冷やした卵白を入れ、砂糖なしで羽にかかるくらいまで泡立てる。
- 砂糖を1/3量を加え、高速で1分泡立てる。
- 2回目の砂糖を加えさらに1分泡立てる。
- 3回目の砂糖を加え、30秒泡立てたら、最後は低速でキメを整える。
完成の見極めはボウルをひっくり返しても落ちない「粘り」と「はり」がある状態になればOKです。
砂糖を加えるタイミングが重要
砂糖には「キメを整える働き」と「泡立ちを抑える働き」があります。この性質を理解してベストなタイミングで砂糖を加えると、キメが細かくふわふわなメレンゲが出来上がります。
逆にタイミングを間違えると分離したり、いつまで立っても泡立たなくなってしまうので注意しましょう。
いつ加えればいいのか?
砂糖の量によって加えるタイミングや出来上がりの硬さが変化します。
卵白1個に対して砂糖10gを基準として、砂糖を加えるタイミングは
「砂糖の量が少ない」→早めに加える
砂糖の量が少ないと泡立ちが早く、分離しやすくなります。ボウルの中の状態を確認しながら作業しましょう。
「砂糖を量が多い」→遅めに加える
ようにしましょう。
基本的には砂糖の量やタイミングに関わらず、その都度、角が立つ硬さまで泡立てましょう。
砂糖は分けて加える?比較してみました
最初に砂糖を全量加えた場合
①1分後
まだなかなか泡立ちません。
②1分30秒後
少しとろみはついてきましたが、なかなか泡立ちません。
③2分後
まだ柔らかいので角は立ちません。
④3分後
完成。角が立つ状態になりました。かなり粘りが強いです。
砂糖を3回に分けて加えた場合
砂糖を3回に分けて加え、その度に角が立つまで泡立てます。気泡のキメがどんどん細かくなり、ボリュームもアップします。
結果
砂糖を加えた回数 |
1回 |
3回 |
---|---|---|
完成までの時間 |
3分 |
2分 |
ボリューム |
△ |
◎ |
きめの細かさ |
△ |
◎ |
砂糖を分けて加えず、はじめに全量を入れた方は、泡立つまでに非常に時間がかかりました。時間をかければある程度まで泡立ちますが、砂糖を分けて加えメレンゲよりもボリュームが少なく、粘りの強い仕上がりに。
砂糖を分けて加えた方はキメが細かくふわふわのメレンゲに仕上がりました。
きれいに泡立てるためには砂糖を加えるタイミングに注意しながら、数回に分けて加えることがポイントです。
まとめ
いかがでしたか?はじめのうちは砂糖を加えるタイミングがつかみにくいかもしれません。タイマーを利用し、時間を測りながら砂糖を加えるとがきれいに泡立てられます。だんだん慣れてきたら、目で見て認識できるようになりますよ。
メレンゲはシフォンケーキやマカロンでも使用され、ABC Cooking Marketの手作りキットの中でもよく登場する工程です。しっかり練習してメレンゲ作りをマスターしましょう!
メレンゲがうまく作れず、挫折してしまった方や失敗してしまった経験がある方はご紹介した点に注意しながら、お菓子作りをしてみてくださいね。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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