失敗しない包餡の仕方

失敗しない包餡の仕方

「包餡」についてご紹介します。包餡をマスターすれば幅広い種類のパン作りを楽しめます。

パン屋さんで必ず売っているあんぱん。みなさんはあんぱんやカレーパンなど中にフィリングが入ったパンをご自宅で作ったことはありますか?生地の中に餡を包むことを「包餡」と言います。生地の種類や特性により色々な包み方をしますが、今回は基本の包餡についてご紹介します。
包餡をマスターすると幅広い種類のパン作りができるようになります。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

包餡(ほうあん)とは


あんパンやクリームパン、カレーパンなどパン生地の中にフィリングを包み込むことを言います。 パンだけでなく、まんじゅうや大福などの和菓子では必ず包餡を行います。

包餡のポイント


生地の大きさ

①分割した生地を中に包むフィリングにあった大きさに広げていきます。


中央を厚めに、ふちを少し薄めに広げましょう。

■あんこなどの硬めのフィリング
大きく広げすぎないようにしましょう。

■カレーなど水分や油分の多いフィリング
大きめに広げましょう。


カレーなどの油分や水分が生地のふちにつかないように、フィリングよりもふたまわり位大きく広げましょう。

フィリングを包むときの注意点

包餡にとって最も重要なのは、ふち(とじる部分)の生地にフィリングをつけないようにすること。とじめにフィリングがついてしまうとうまくくっつかないことがあります。また、フィリングの水分や油分が原因で二次発酵や焼成時にとじめがはがれて中身が出てしまったり、爆発する場合もあるので注意しましょう。

包餡の仕方


基本の包餡

①とじめを上にし、まわりを薄くしながら生地を広げ、中央にフィリングをのせる。

②手のひらの上に生地をのせる。

③少しずつ回すようにしながらフィリングを包み込み、中央でとじていく。


手のひらを丸めるようにし、とじめが中央で近づくように意識しましょう。

初心者の方向けの包餡

はじめて包餡にチャレンジする方やまだ慣れていない方はこちらのやり方をしてみましょう。

①とじめを上にし、まわりを薄くしながら生地を広げ、中央にフィリングをのせる。

②生地の2ヶ所をつまんでとめながら、フィリングを包み、しっかりととじめをとじる。

仕上がりを確認


焼き上がった生地をカットしたときに、Aのようにフィリングと生地の割合が上:下=2:1になっているのが基本的な包餡の理想になります。

Bは中央部分が厚くなってしまいました。これは以下のようなことが原因と考えられます。
・広げた生地の大きさが小さく、とじる部分だけの生地をひっぱってとじてしまった為、中央が厚くなりすぎ、とじめの下の部分は薄くなってしまった。
・まわりの生地を薄くのばしすぎて、中央の生地が厚くなってしまった。

クリームパン失敗▲生地が破れて中身が出てしまったクリームパン

とじることだけを意識してしまうととじめ部分が厚くなり、表面になる中央の周りの生地は引っ張られて薄くなってしまいます。そのため、焼成時に生地が破れて中身が出てきてしまうことも。

クリームパン失敗▲生地を引っ張り過ぎてしまったため、とじ目が分厚くなり2:1になっていない

包餡は上の生地と下の生地が2:1の厚さになるように包むことが大切です。

まとめ

いかがでしたか?包餡をマスターすることで、パン作りのレベルもアップして、様々なアレンジも楽しめることは間違いありません!和菓子などにも応用できますよ。ぜひ、包餡を楽しみながらマスターしましょう。

この記事を書いたのは

房前敦子

香川栄養専門学校製菓科卒業後、アフタヌーンティー・ティールームに入社し約8年間、パン・ケーキ製造・販売業務などに携わる。その後、調理師免許を取得し、アフタヌーンティースクールのオープニングスタッフなどを経て、2008年から約12年間ABCクッキングスタジオの料理・ブレッド講師として就業する。
現在はABC Cooking MARKET手作りキットなどの新規メニュー開発をはじめ、専門学校や高校での講師、他メディアでのフードコーディネーターとしてフリーで活動中。

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