混ぜて焼くだけの簡単な手順で作れる「パウンドケーキ」はお菓子作り初心者の方にも人気のレシピです。しかし、レシピ通りに作ったはずなのに”中が生焼けだった…”という経験がある方もいらっしゃるのでは。今回は生焼けになってしまう原因と失敗したパウンドケーキをおいしく変身させるリカバリーレシピをご紹介します。
生焼けとは
生地がドロドロした状態だったり、竹串をさしたときに生っぽい生地がついてくる状態のこと。他にも、型から外した時に腰が折れる(側面が内側にヘコむ)場合もあります。
▼外側を比較(左:中まで焼けているパウンドケーキ/ 右:中が生焼けのパウンドケーキ)
▼割って比較(左:中まで焼けているパウンドケーキ/ 右:中が生焼けのパウンドケーキ)
生焼けの原因
外側は焼けているのに中が生焼けになってしまう原因には以下が考えられます。
原因① 庫内の温度
オーブン庫内の温度が十分に温まっていない状態(設定した温度まで上がっていない)のまま焼成したため、生地の中心までしっかり温度が入らずに生焼けになってしまった。
【対策】 | 庫内温度計などを使用して温度を確認しましょう。 |
原因② 生地の温度
生地の温度が冷たすぎると、設定した時間では中心まで加熱されません。
【対策】 | 生地に使う、卵やバターは必ず室温に戻しておくこと。 作り始める数時間前には冷蔵庫から出しておきましょう。 |
原因③ 型の種類
使用している型に問題があるのかもしれません。シリコン・ガラス製の型は金属製の型に比べて熱伝導率が悪く、中まで火が入りにくいため生焼けになってしまうことがあります。
【対策】 | 温度や時間の調整をしながら、焼くようにしましょう。 |
パウンドケーキの焼き上がりの確認方法
竹串で確認
焼き上がりは、竹串に生地が付いてこないか確認し、すぐに型からはずします。
このとき敷紙まではがしてしまうと、乾燥するので冷めてからはがしましょう。
指で確認する
中心を指で軽く押して確認します。生地に硬さがあれば焼き上がり、柔らかいようなら生焼けです。
その他
パウンド型にクッキングシートを敷かずに直接入れて焼く場合は縮みがおき、型とケーキの間にわずかに隙間ができます。
リカバリー方法
焼き上がってから時間が経過していない場合は、ケーキもオーブンも温かいうちに型に入れて戻し、再度予熱を入れ(指定の温度)、焼き時間を延長しましょう(5分〜)。
表面だけ焦げたり乾燥しやすいので、アルミホイルをかぶせて焼くとよいでしょう。
焼成から時間が経ってしまったら
焼成後すぐに気がつかず、時間が経過してしまった場合は思い切ってリメイクしてみてもまた違った楽しみ方ができます。簡単にできるので、ぜひ試していただきたい2品を紹介します。
レシピ
リメイクレシピ①ラスク
材料 | 分量 |
---|---|
バター | お好み |
グラニュー糖 | お好み |
作り方
1.パウンドケーキを7〜8mm厚に切り、クッキングシートを敷いた天板に並べる。
2.150℃の予熱を入れたオーブンで片面10分ずつ焼く。
3.お好みでクリーム状にしたバターを塗り、グラニュー糖をふりかける。
リメイクレシピ②フレンチトースト
材料 | 分量 |
---|---|
卵 | 1個 |
牛乳 | 100cc |
砂糖 | 小さじ1〜 |
グラニュー糖 | お好み |
お好みのジャムなど | お好み |
作り方
1.ボウルに卵・牛乳・砂糖を入れ混ぜる。
2.1cm厚位に切ったパウンドケーキを浸す(約10分)。
くずれやすいので注意しましょう。
3.フライパンを加熱し、焼き色がつくまで焼く(中火)。
4.皿に盛り、お好みでホイップクリームやアイス、ジャムなどをかける。
まとめ
パウンドケーキの生焼けによる失敗は、焼き上がりの確認を忘れないようにすれば防ぐことができます。もしも、失敗してしまったときは捨てずに今回ご紹介したレシピを試してみてくださいね。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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