生クリームのパッケージに書かれている「35%」・「47%」…といった表記を見たことはありませんか?この数字は生クリームに含まれている脂肪分を表しています。含まれる脂肪分が違うと泡立ちにどのくらい差が生じるのでしょうか。今回は生クリームのパックに書かれているパーセンテージの違いについてご紹介します。生クリームを選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
生クリームとは
生クリームは牛乳の中に含まれている「乳脂肪」を濃縮したものです。においを吸収しやすいので保存には気を付けましょう。保存温度は 5°C以下、取り扱いは 10°C以下で行います。日本の規定では、「乳脂肪分の含有率が 18%以上で、乳化剤・安定剤・植物性油脂など牛乳以外の成分を一切含まないもの」を生クリームと定義しています。乳脂肪以外の油脂や安定剤などを添加したクリーム類は「乳製品を主要原料とする食品(乳主原)」と定義されています。
生クリームの種類
製品によって「コーヒー用」「ホイップ用」という呼び方がありますが、これは法規で決められた正式なものではなく、用途別につけた名称です。一般的には低脂肪乳クリームのことを「コーヒー用」、高脂肪乳クリームのことを「ホイップ用」としています。
低脂肪クリーム |
脂肪分 20 〜35% |
高脂肪クリーム |
脂肪分 45 〜 50% |
パーセンテージの違いについて
生クリームのパックに書かれている数字は、生クリームに含まれている脂肪分を表しています。数字が低い方が軽く、さっぱりとしています。数字が高い方が濃厚な味わいになります。
脂肪分35%と47%で比較
含まれる脂肪分が違うと泡立ちにどのくらい差が生じるか比較してみましょう。
35%と47%をそれぞれボウルに入れ、90秒間泡立てます。
35%はとろみがつく程度、47%はボソボソしている泡立ちすぎの状態になりました。
高脂肪クリームの泡立てにハンドミキサーを使用する場合は「低速」で泡立て、泡立て器を使用する場合は泡立て過ぎに注意しましょう。
7〜8分立てにして比較
それぞれのクリームをお菓子作りでよく使われる7〜8分立てに泡立て、絞り出した時の保形性を見てみましょう。
35%は絞り出した形がややだれています。47%は絞った形がしっかり保たれています。
比較結果
脂肪分35%(低脂肪乳クリーム)
泡立つのに時間がかかりますが、その分空気を多く含むので軽く泡立ちます。
脂肪分47%(高脂肪乳クリーム)
泡立てるのに時間がかからず、泡立った形のまま維持しやすいので、味を濃厚にしたい時、保形性を保ちたい時などに使用するとよいでしょう。ただし、乳脂肪が高すぎる生クリームは少し泡立て過ぎただけで硬くなり、扱いが難しくなるので注意が必要です。
まとめ
作りたいお菓子のレシピに生クリームのパーセンテージの指定があれば、同じものを使用するのがよいでしょう。
しかし、どのお菓子にどの脂肪分の生クリームが向いているとは言い切れません。出来上がりの味や、使用する材料とのバランスをみて、どの脂肪分の生クリームを使用するか判断しましょう。
上記のような特性があり、多少の差が生じることを理解して、お菓子作りを楽しみましょう。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。