もちもちした食感が特徴の「ベーグル」。他のパンの作り方とは少し異なり、「茹でる」工程が入ります。
茹でることでもちもちとした食感になり、おいしいベーグルになります。
ベースの味をアレンジしたり、具材をサンドしてさまざまな味が楽しめるベーグル作りのポイントをご紹介します。
もちもちした食感の秘密
小麦粉の成分の約 70%はでんぷんです。 でんぷんに水を加えて加熱するとねばりのある状態に変化します。 これをでんぷんの糊化(α化)と言います。 それをオーブンで加熱すると水分が蒸発して固まってきます。これは固化と言います。 ベーグルのもちもちとした独特な食感は、この糊化と固化という小麦粉の性質が深く関わっています。
ベーグル作りの注意点
茹でるのは表面を糊化させるためで、水分を入れたり、中に火をとおしたりするのが目的ではありません。 長く茹で過ぎると、焼き上がりの表面が硬くなり過ぎることがあるので、茹でる時間は正確に計るようにしましょう。また、茹でたらすぐに焼くことも重要です。
材料(4個分)
材料 | 分量 |
---|---|
[a] 強力粉 | 160g |
[a] インスタントドライイースト | 小さじ1 |
[a] 砂糖 | 大さじ1 |
[a] 塩 | 小さじ1/3 |
水 | 95~105cc |
バター(食塩不使用) | 20g |
ピザ用チーズ | 適量 |
下準備
●水は42~43℃に温めておく(仕込み水)。
●バターは室温に戻しておく。
●10cm角位のクッキングシートを4枚用意しておく。
●深めの鍋またはフライパンに水(材料外)を6~7分目位まで入れておく。
●二次発酵終了5~10分前に、オーブンに予熱を入れておく。
作り方
①生地をこねる
ボウルに[a]を入れ、仕込み水を加える。
木ベラでよく混ぜ、粉気が残る位でバターを加え混ぜ、まとまったら台の上でなめらかになるまでこねる。
▼生地のこね方はこちら
②一次発酵・ガス抜き
生地を丸めてとじめを下にしてボウルに入れ、ラップをかけ、発酵させる(40℃約30分)。
2倍位になったらガス抜きをし、4等分にして丸め、ぬれ布巾をかけて休ませる(約10分)。
③成形
とじめを上にして、22×9cm位の横長の楕円形にめん棒でのばす。
手前から空気が入らないように巻く。
巻き終わりを上にし、片方の生地2~3cmを開き、残りの生地をしっかりととじる。
反対側の生地の端を輪になるようにととのえ、開いた生地に入れる。
発酵後、茹でるときにとじめが開かないように以下に注意しましょう。
①空気が入らないように巻く②とじめはしっかりと閉じる!
開いた生地の両端で端の生地を包み込むようにしっかりととじ、ととのえる。
とじめを下にしてクッキングシートにのせる。
④二次発酵
クッキングシートを敷いた天板にのせ、ラップ+ぬれ布巾をかけ、発酵させる(40℃で約20分)。※二次発酵終了の目安は、ひとまわり大きくなる位。
発酵後に茹でる作業(ケトリング)があるので、発酵させすぎないように注意しましょう。
⑤ケトリング
二次発酵中に90℃位の熱湯を用意する。
生地をクッキングシートごと熱湯に入れ、生地が熱湯に浸かったら、クッキングシートをはがし取り出す。
30秒~1分茹で、裏返し、さらに30秒~1分茹でる。
取り出し、クッキングシートを敷いた天板にのせる。
ベーグルを茹でる温度は85~90℃が適温です。鍋の底から小さい気泡がふつふつとやさしく出ている状態を目安にするとよいでしょう。グラグラ沸騰している状態(100℃)で茹でると生地がしぼんでしまうことがあります。また、茹ですぎも生地が硬くなる原因になるため、温度や時間に気をつけましょう。
⑥焼成
お好みで生地の表面にピザ用チーズをのせ、オーブンで焼く(電気オーブン210℃ 13~17分/ガスオーブン200℃ 13~17分)。
茹でた後は、すぐにオーブンで焼くことが大切です。トッピングするときは早めに作業しましょう。
オーブンの機能により、温度や時間は調整してください。
アレンジレシピ
「ハワイアンベーグルサンド」
食べる前にレンジでチン! してよりいっそうおいしく。
この記事を書いたのは
房前敦子
香川専門学校製菓科卒業後、アフタヌーンティー・ティールームに入社し約8年間、パン・ケーキ製造・販売業務などに携わる。その後、調理師免許を取得し、アフタヌーンティースクールのオープニングスタッフなどを経て、2008年から約12年間ABCクッキングスタジオの料理・ブレッド講師として就業する。
現在はABC Cooking MARKET手作りキットなどの新規メニュー開発をはじめ、専門学校や高校での講師、他メディアでのフードコーディネーターとしてフリーで活動中。
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