カヌレ焼き比べ〜材質編〜

カヌレ焼き比べ〜材質編〜

カヌレ作りに欠かせない道具「カヌレ型」。材質やサイズなどが異なり、種類が複数あります。

外カリっ、中もちっの食感が人気のフランスの伝統菓子「カヌレ」。

この独特の食感を生み出すのがカヌレ型です。銅・ステンレス・テフロン・シリコンなど、カヌレ型にはさまざまな材質があります。

材質ごとに仕上がり具合に差が出るのか調べてみました。

カヌレとは


フランス語でCannelé(カヌレ)は「溝の付いた」という意味で、12つの溝が付いた専用型を使って焼きます。

卵黄や牛乳、薄力粉などを主な材料としたフランス発祥のスイーツで、表面はカリッとしていて、中はもちもちとした食感が特徴です。

2022年に第二次ブームが到来し、現在は生地の種類や中にクリームを入れたものなどさまざまな種類のカヌレが販売されています。

どこが違う?カヌレ型の材質


カヌレ作りに欠かせない道具といえば「カヌレ型」。材質やサイズなどが異なり、種類が複数あります。

まずは材質をみていきましょう。

熱伝導 価格 型離れ 耐久性 手入れ
×

銅製のカヌレ型は多くのお菓子のプロが使用しています。
熱伝導はステンレスの20倍と言われています。

頻繁に型を使用したり、見た目と味わいにこだわりたいなら銅がオススメです。

ただし、他の製品に比べてお手入れが難しいのが懸念点です。銅や真鍮などの金属はお手入れしないと、空気中の水分や塩分と反応して酸化することによって緑青(りょくしょう)というサビの一種が発生して変色します。

ステンレス

熱伝導 価格 型離れ 耐久性
手入れ

錆びにくく扱いやすいので、たまに型を使う方にもオススメです。
ただし、熱伝導がやや低く、生地が型につきやすいので下準備の際に型にしっかり油分を塗っておきましょう。

鉄+テフロン

熱伝導 価格 型離れ 耐久性
手入れ

テフロン加工が施されたカヌレ型は熱伝導と型離れの良さが特徴です。価格も比較的リーズナブルで扱いやすいです。
ただし、長期間使用するとテフロン加工が剥がれてくるので定期的に買い替える必要があります。
冷菓子に使用したり、フィナンシェやマドレーヌの生地を流しても焼くことができます。

シリコン

熱伝導 価格 型離れ 耐久性
手入れ
×

シリコン製は柔軟性が高く、型離れの良さが特徴です。型からはずれにくい場合でも、型を裏返して押し出すことができます。
またシリコン製の型は焼き菓子だけでなく、冷やし菓子にも使用できるのでさまざまなお菓子作りが楽しめます。
ただし、熱伝導が低く、焼き色がつきにくいため焼き菓子にはあまり適していません。金属製の型で作るようなカヌレ独特のカリッと感は出せません。

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比較


今回はステンレス製(左)と銅製(右)とシリコン製のカヌレ型を使用し、同じ条件で焼き比べしてみました。

生地は一晩寝かせた生地を使用。
焼き時間は電気オーブンで230℃ で15分焼き、その後温度を下げて190℃ で45分焼きました。

結果


材質

焼き上がり

銅製

外側はカリカリ、中はもちもち。

ステンレス製

外側はカリカリしているが、中は生っぽい。

材質

焼き上がり

シリコン製

焼き色がつきにくく、中もベタっとしてねちゃねちゃしていた。

まとめ

材質の違いによって火の通り具合が異なり、焼き色や食感に違いが出ます。 値段やお手入れのしやすさなどから製菓型を選ぶ場合は、レシピに表記してある焼き時間より多くしたり、少なくしたりが必要になるかもしれません。

型を購入したら、何度も作ってみてお好みの焼き具合に近づけてみてくださいね。

この記事を書いたのは

橋本慶子

東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。

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