フルーツののったタルトやケーキって表面がツヤツヤしておいしそうに見えますよね。 このキラキラツヤツヤした正体をご存知ですか?これは「ナパージュ」と呼ばれる透明感のあるジュレ状のものなんです。塗るだけでツヤがでて華やかになりますが、他にも目的があります。 今回はワンランク上の仕上がりにするために、ナパージュの役割や使い分けについて解説します。
ナパージュとは
ナパージュとはフランス語で「塗るもの」という意味で、仕上げに使用する液状のゼリーのことです。ナパージュには「非加熱」と「加熱用」があり、使用用途によって使い分けします。
ナパージュの効果
効果① ツヤ出し
ツヤを出すためには、「非加熱のナパージュ」を使用します。ムースやタルトなどの表面に飾ったフルーツにナパージュを塗り、つややかな輝きを出し、よりおいしそうに見せることができます。ナパージュにピュレやジャムを混ぜて、色をつけて使用することもできます。
効果② 乾燥防止・変色防止
完成したお菓子を冷蔵庫内にいれておくと、どうしても表面が乾燥してしまいます。表面にナパージュを塗ることで乾燥を防ぐ役割をします。
また、切った果物(とくにバナナや桃・りんごなど)は空気に触れると変色しやすく、見た目が悪くなってしまいます。これもナパージュを塗っておくと変色を遅らせる効果があります(長時間の変色防止にはなりません)。
効果③ 保形性のため(加熱タイプの場合)
フルーツがたっぷり盛られたタルトなどの形を保つために「加熱用のナパージュ」を使用します。冷めると寒天のように固まるので、フルーツをある程度固定することができます。
ただし、加熱用ナパージュは熱いまま使用するのでムースのような溶けるものには不向きです。
代用できる?
ご家庭にある材料を使ってもツヤを出すことができます。
アプリコタージュ
製菓用のアプリコットジャムは、乾燥を防ぎ、ツヤを出し、風味を加える役割があります。タルトやパウンドケーキの仕上げに使われます。
ジャムには少量の水を加えて加熱し、使用します。焼き菓子に使う際は、ジャムの水分が多すぎたり、塗る量が多いと湿気が増えてしまうため、注意が必要です。市販のジャムを使用する場合は、果肉が含まれているため、ザルなどで裏ごししてから使うと良いでしょう。
はちみつ・水あめ
そのまま塗ってしまうと甘みが強すぎるので、少量の水で溶いてから使用します。コルネに入れてしぼり出して使用してもよいでしょう。
シロップ
パイ系の焼き菓子の表面にサッと塗り、ツヤを出すなら、水25cc・グラニュー糖35gを加熱し、あら熱を取ったものを使用するとよいでしょう。
粉寒天
粉寒天を使用する場合は、粉寒天(1g)・水(100ml)・砂糖(大さじ2)を鍋で加熱し(3分)、あら熱がとれたら塗る。
ナパージュの塗り方
刷毛にたっぷりとふくませて、置いていくようなイメージで塗ります。
ポイントは左右両方から力を入れて何度も重ねて塗らないこと!
フルーツなどが
⚫︎規則的に並んでいる場合→その流れに沿って塗る
⚫︎ランダムに乗っている場合→1個ずつに丁寧に塗る
刷毛がない場合や、小さいブルーベリーなどは、直接ナパージュにくぐらせてもよいでしょう。
まとめ
仕上げにひと手間加えることで見た目も華やかになり、ワンランクアップしたスイーツに。 家にある材料でも代用可能なのでみなさまも試してみてくださいね。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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