ショートケーキなどをデコレーションするときに欠かせない、クリームを塗る作業「ナッペ」。
パティシエが作っているところを見ると簡単そうに見えるものの、実際にやってみるととても難しいですよね。ナッペは、習っただけではうまくなりません。
では、どうすればよいでしょう?
それは練習あるのみです!練習をして経験を積めば、必ず上達することができます。今回はくりかえし使える道具を使用した練習方法をご紹介します。
ナッペとは
本塗りと下塗り
ケーキにクリームを塗ることを「ナッペ」と言います。
ナッペには「下塗り」と「本塗り」があります。
下塗りはケーキのクラム(カス)が出ないようにするために、一度薄く塗ります。
この段階では、スポンジが透けていても大丈夫です。
本塗りはスポンジが透けないように、きれいに仕上げるために塗っていきます。
使用する生クリームについて
実際にデコレーションケーキを作る時は、生クリームの脂肪分が45%近いものだとボソボソしやすいため、脂肪分が35〜40%のものが扱いやすいです。
何度も塗り直していると生クリームがボソボソになってしまうので、なるべく少ない手数でできるようになると、見た目も味もよく仕上がりますよ。
ナッペに必要な道具は?
使用する道具
●ダミーケーキ(発砲スチロール製)または丸型(裏返して使用
●バタークリーム風パウダーまたはショートニング
●スパテラ
初めて使用するなら、スパテラは持ち手を含め30cmくらいのものがおすすめです。
●回転台
回転台は人工大理石のものがおすすめです。
人工大理石は重みがあるので勢いよく回してもぶれず、回り方も滑らかです。
回すとガタガタ揺れる回転台は、側面を塗る時に影響が出てしまいます。
購入前に確認しておきましょう。
今回使った道具がこちら
繰り返し練習で上達!ナッペ練習セット
スパテラの持ち方
柄とステンレスの境目をにぎり、人差し指をまっすぐに伸ばしてぶれないように持ちます。
スパテラを動かす時は写真(上)のように進行方向の刃を浮かせましょう。
写真(下)のように全面がクリームと接着していると、動かしにくく、ボソボソになってしまいます。
さっそくはじめましょう
下準備
ダミーケーキの後ろに両面テープをつけ、回転台に貼り付ける。
①クリームを広げる
クリームを中心にこんもりと置き、スパテラ全面を使って塗り広げましょう。
・回転台は常に奥方向に回します。
・スパテラは表面と平行にし、進行方向の刃は少し持ち上げて滑らせること。
横からはみ出しても問題ありません。
②側面を塗る
クリームをスパテラの先端ですくい、回転台を回しながら、(時計の)9時の位置につけていきます。
クリームは重力で下に落ちていくので、上の方につけましょう。
側面にクリームをつけ終わったら、全体に塗り広げていきます。
ここでは凸凹でもOKです。
スパテラの先端は回転台に対して垂直になるようにつけ、ケーキの側面にスパテラを平行に添わせるように動かします。
スパテラは常に時計の7〜9時の間の位置で動かします。進行方向の刃を浮かせましょう。
③余分なクリームを取る
スパテラは回転台に対して垂直に当て、8時の位置に固定させ、回転台を奥側へ回し、側面の凹凸がなくなるようにならします。
つぎに回転台と平行になるように4時の位置に構え、スポンジケーキと回転台の接着面の余分なクリームを除きます。(写真4番)
側面・根元ともにきれいにする時は力加減に注意しましょう。
④角出しをする
角だしとは…
ケーキの側面に盛り上がったクリームを内側に入れ込み、表面をきれいにすることです。
時計の2〜3時の位置でケーキの表面と平行にスパテラを構え、盛り上がった部分を外から内側に向かってならします。
ケーキの角がシャープになるようにします。
下から角に沿わせると丸みが出てしまうので、注意しましょう。
まとめ
ナッペを行うことで、見た目が美しくなり、さまざまなデコレーションがしやすくなります。
ナッペが上手にできるようになると、イベントごとなどでデコレーションケーキを作るのがたのしくなりますよ。慣れてくれば、5分くらいでできるようになるかもしれません。
繰り返し練習して、ナッペをマスターしましょう!
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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