バレンタインが近づいてくるとチョコレートを使ったお菓子を作る機会が増えてきますよね。今回はお菓子やパン作りでよく使用する「チョコレート」と「コーティングチョコレート」の違いやあつかい方についてご紹介します。
チョコレートとコーティングチョコレートの違い
▲左:チョコレート 右:コーティングチョコレート
チョコレート
◾️チョコレート生地などの組成
チョコレートおよび準チョコレートの記事は、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ又はココアバターを原料として、必要により糖類、乳製品、他の食用油脂、香料等を加えたものであって、次の5種類に分類しています。
出典:全国チョコレート業公正取引協議会 ※画像を押すと拡大されます
チョコレートは、カカオバターを18%以上含み、他の油脂の代用は認められていないため、味が良い。テンパリング(※)が必要。
チョコレートの中でも「クーベルチュール」を聞いたことがある方も多いのでは?フランス語で「毛布」など「覆うもの」を意味します。ケーキなどの製菓の仕上げなどに使われていて、カカオ分を31%以上含んだものをさします。
※テンパリング・・・製菓用の固形チョコレートを作業しやすい安定した状態にする温度調節作業のことです。フランス語では tempe’rage(タランペラージュ)と言います。正しい温度調節を行うことで、チョコレートの見た目を美しく仕上げることができたり、なめらかな口溶けのチョコレートになります。
コーティングチョコレート
▲コーティングチョコレートを使用 基本のエクレア カスタード&モカ〈手作りキット〉
被覆を目的とし、硬化油などを添加したもの。溶かすだけですぐ使えるので、パンやケーキなどのコーティングに便利。エクレアやドーナツ、パウンドケーキなど、表面にコーティングチョコレートをかけたスイーツがあります。
チョコレート・コーティングチョコレートの使い方
チョコレートはほとんどの場合、刻んで使用します。クーベルチュールチョコレートは刻まなくても使えるタブレットタイプのものも販売されていて便利ですよ。
使用する道具 ※共通
湯せん鍋(小さめ)・ボウル・泡立て器・ゴムベラ・クッキングシート・茶漉し・包丁・まな板・小鍋
溶かし方 チョコレート
小さめの鍋に湯を沸かす(50〜60℃)。
温度が高いと、チョコレートがぼそぼそになったり、固まった時にツヤがなくなるので注意する。
ボウルにチョコレートを入れ、湯せんにかけて溶かす。
気泡が入ってしまうため、混ぜながら溶かさないこと!
溶かし方 コーティングチョコレート
小さめの鍋に湯を沸かす(50〜60℃)。
ボウルにチョコレートを入れ、湯せんにかけて溶かす。
湯せんの蒸気や水滴が、チョコレートのボウルに入らないように注意すること。混ぜながら溶かさないようにしましょう。
冷やし方
ガナッシュやチョコレートクリームをしぼり出すときは、いちど冷やして硬さを調整する必要があります。
しかし、生クリームを泡立てたり、ムースを冷やすときのように保冷剤入りの冷水を使用するのはNGです!氷が当たっているところからガチガチに固まってチョコチップ状になり、口金を使ってしぼる場合には詰まりの原因になってしまうこともあります。
正しい冷やし方
①水道水(25℃位)をボウルに入れ、チョコレートの入ったボウルをのせる。
②ボウルの外側から冷えてくるので、外側から内側に向かって全体をゆっくり大きく混ぜる。
こまめに混ぜると気泡を抱き込んでしまうので、ゆっくり大きく混ぜるのがポイント!水道水を何度か入れ直し、あつかいやすい硬さになるまで調整しましょう。
残ってしまったら?コーティングチョコレートの保存方法
Q.もしも残ってしまったら再利用できますか?
A.水分が混ざっていなければ、ラップなどに包み、再度使用することもできます。
チョコレートを湯せんしたボウルの洗い方
湯せんしたボウルを洗うときに溶かしたチョコレートが固まってしまい、洗ってもなかなか落ちなかったことはありませんか?
チョコレートは35℃以上になると溶け出すため、湯せんに使用した鍋の湯を再度沸かし、そのお湯にしばらくつけておいてから洗うときれいに落とすことができますよ。
まとめ
チョコレートのおいしさを最大限に生かすためには、湯せんの温度が大切です。50〜60℃の湯せんにかけること。温度が高すぎるとぼそぼそになったり、ツヤがなくなります。
また、混ぜ方もポイントです。混ぜながら溶かさないこと。混ぜた時に気泡が入ってしまうと口当たりが悪くなってしまいます。今回ご紹介した溶かし方や冷やし方を参考にチョコレート菓子作りをしてみてくださいね。
この記事を書いたのは
橋本慶子
東京製菓専門学校卒業後、代官山シェリュイ、アフタヌーンティー・ティールームなどで約10年ケーキ製造・販売業務に携わる。
2008年ABCクッキングスタジオ入社、2011年から商品部にてケーキ開発を担う。
5年間で約400メニューを開発する。
現在はフリーで活動中。
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